「あながち」の本当の意味って何?正しい使い方を徹底検証

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先日、何気なくクイズ番組を観ていてふと疑問に思ったことがありました。

クイズに答えた回答者に対して司会者が

「う~ん、あながち間違いではないんだけど、もっと違う表現で言うと?」

と言っていた場面で、「ん?」と思ったんです。

 

この「あながち」っていう言葉は私自身はあまり使わないものの、小説なんかには結構な頻度で出てくる印象がある言葉ですよね。

ごくまれにですが、実際に人が使っている場面に今までに何度か遭遇したこともあります。

 

“使い方が難しい言葉“

という印象しかないんですけど、私はそのクイズ番組を見ていて

「あながち間違ってない…じゃあ何%くらい正解なの?」

と司会者に突っ込みたくなりました。

 

あなたも、そういう

「じゃあ何%?」

という風に考えたことありませんか?

 

ということで、この記事では、この「あながち」という言葉に対する意味や語源、正しい使い方などモヤモヤすることを改めて調べてみました。

 

あながちの意味と語源をチェック

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「あながち」という言葉を辞書などで調べると…

  • 断定しきれない状態をあらわす。
  • 「全面的に・必ずしも・一概に」と同じ使われ方をする。
  • 当たらずも遠からずということ。

とありました。

 

ほぼ100%副詞として使われるので、

話し手の心の内を表現した言葉

ということになります。

 

すなわち、それ単独で使われることはなく、必ず文末が「~ない!」という否定系の表現と一緒に用いられるということです。

 

続いて、高校時代に大の苦手だった古文での意味を調べてみたところ、今度は

「強引に・無理に・異常なまでに・一途に」

と出てきました。

 

古文の意味を調べた途端にちょっと訳がわからなくなり後悔…

私の苦手意識がそうさせるのか、古文になるとやっぱ言葉自体のニュアンスの捉え方が2ランクくらい上がって難しいですね。

 

ただ、古文での意味は置いといて、同じ使われ方をする「必ずしも」「一概に」で考えると、

文章をはっきり断定できないときに使うもの

ということだけは何となくわかりました。

 

 

ところでこの「あながち」は漢字では「強ち」と書きます。

この漢字を見ると、先ほどの古文の方の意味

「強引に・無理に・異常なまでに・一途に」

がやっと理解できてきませんか?

にしても…漢字の読みは難しいですね。

どっちかというと理系脳な私には「強ち」ってテストに出てきても、ほぼ読めないです。

 

 

次に「あながち」の語源を調べてみました。

「あながち」って元々は「あながちなり」から来ているもので、この形容動詞を「なり活用」させたものになります。

 

「なり活用」なんて凄く懐かしい響きなのですが、つまりは

なら
なり・に
なる
なれ
なれ

の中の「あながちに」に注目して頂いて、これの「に」がなくなったものがその語源とのことです。

 

この語源から考えると「あながち嘘ではない」などは

  • 無理やり嘘とは言えない
  • 強いて嘘とは言えない

という意味にも汲み取れるので、

ちょっと現代の使い方って実はおかしいんじゃない?

と感じるんですが…そう感じるのは私だけでしょうか。

 

 

とは言え、「あながち」という意味が

当たらずも遠からずという断定できない状態をあらわす

ということさえ掴んでいれば、その後の文章に何が続こうとも意味は伝わってきます。

 

冒頭で書いたクイズ番組の件は、正解だと思っている回答者に対して

「当たらずも遠からず=おしい」

という意味を込めて使っていたんですね。

 

単純に全くの不正解だと断定できないから「あながち」という言葉を選んだのであり、

あながち → じゃあ何%?

という捉え方は、そもそも間違った解釈だったわけです。

 

 

以上のことより、「あながち」の解釈にはコツがいることもあるので、深みにハマらないよう…

語源などはあまり深く考えず、「当たらずも遠からず」とシンプルに捉えることが大事かなぁ〜

と思います。

 

ただし、もし自分で使う場合は使い方が極端におかしくならないように注意したいですよね。

 

ということで、今度は「あながち」の使い方を見ていきたいと思います。

 

「あながち」の正しい使い方

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同じような言葉だけどニュアンスが少し違う言葉

さきほどの「あながち」の意味の所で

「全面的に・必ずしも・一概に」

と同じ使い方をすると書きましたが、実は同じように使うものの

  • 「あながち」と「全面的に」
  • 「あながち」と「必ずしも」
  • 「あながち」と「一概に」

はそれぞれ同じ意味という訳ではありません。

 

というのは、

  1. ○○○正しいとは言えない
  2. 金持ちだからといって○○○えらくはない

という2つの文章の○部分に入れる言葉を考えた場合にわかります。

 

①の場合には

「あながち」「全面的に」「必ずしも」「一概に」

どれを入れても文章はおかしくありません。

 

ところが、②の場合はどうでしょう?

 

「必ずしも」「一概に」は違和感ありませんが、「あながち」が入ると文章がすごい違和感を感じるものになります。(「全面的に」は意味としてはちゃんと通りますが、やはり違和感あり。)

 

「あながち」は強く否定する時には使えない

上記のことから、

文章を強く否定する場合には「あながち」という言葉が使えない

ということがわかります。

 

つまり、「あながち」は文章が婉曲表現のときにのみ有効な言葉なのです。

遠回しな言い表し方のこと。

露骨にならないように言うこと。

 

 

「あながち」に一番置き換えやすいのは個人的には「必ずしも」なのですが、以上のことを別の視点で言い直すと…

  • 「あながち 」→ 「必ずしも」 : 制限無く置き換え可能
  • 「必ずしも 」→ 「あながち」 : 一部だけしか置き換えできない

ということになります。

 

よって、「必ずしも」も「あながち」も、どちらも打消しの語を伴って使うのですが

「あながち」を実際に使うのはその文章が婉曲表現の場合の時のみ

ということを覚えておきましょう!

 

「あながちの意味」のまとめ

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今回は普段自分の中で、その意味を何となく受け止めている「あながち」について調べてみました。

漢字で「強ち」と書くのは意外な発見でしたが、漢字として捕らえると意味がよく汲み取れなくなります。

ですので、「あながち」という言葉を扱う際はもっとシンプルに考える必要があります。

 

その歳のポイントは次の2点。

 

 

意味当たらずも遠からず

使い方婉曲表現にのみ使う

この2つのポイントさえ抑えておけば大丈夫です。

 

 

ちなみに、「あながち」に似たような言葉は、他に「まんざら」もありますが、こちらもニュアンスがちがいます。

  • あながち嘘ではない
  • まんざら嘘ではない

 

この2つの文章は意味的には

嘘と言う訳ではない

という解釈で非常に似ていますが、「まんざら」の方からは

“一部は本当である”

という文章を肯定する意味合いが強く汲み取れるのはわかりますでしょうか。

 

もしピンと来ないようでしたら、

「まんざらでもない」

で考えてみてください。

 

そもそも、「あながちでもない」とは言わないので、その時点で別物であることがハッキリわかりますが、まんざらでもないには「満足している」という意味が込められているんです。

 

 

このように、「あながち」という言葉には似たように思えて実は意味合いが違う表現がたくさんあって非常に紛らわしいですよね。

 

個人的に「あながち」に遭遇するのは小説とかだけなのですが、冒頭で話したクイズ番組のようにふとしたところで出くわす可能性はあります。

もし通常の会話で「あながち」に遭遇したときは

「あっ、この人は今はっきりと断定したくないんだな」

というところまで汲み取ってあげれば、より良いコミュニケーションが取れるでしょう。

 

いずれにしても、こうして改めて調べてみればみるほど、日本語の難しさを痛感します。

私は、今こうして情報発信しているわけですが、それゆえに、もっともっと日本語の勉強が必要だと思い知らされました。

 

伝えやすい文章、言葉の追求を今後とも続けて行きたいと思いますので、これからも当ブログをよろしくお願い致します。

 

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以上、最後までお読み頂きありがとうございました。

 

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