「灘」と聞いて私が真っ先に思い浮かべるのが、秀才軍団の灘中学・高校です。
特に灘高校は毎年信じられない数の生徒が東大や京大といった難関大学に進学し、高校生ウルトラクイズなどでも常連校となっています。
それも出れば必ず優勝候補ですもんね。
私もそれなりの進学校と呼ばれていた高校に入学しましたが、次元が違いすぎます。
この全国的に有名な灘中学・高校は神戸市にあるのですが、実は姫路市にも灘中学校があるんです。
私も今回初めてしりましたが、どっちの灘中学かで、地元の人でもごっちゃになりそう…
そんな【姫路の「灘」】ですが秀才ぶりでは流石に神戸の方に分があります。
ところが…
普段はそんな神戸の影に隠れている姫路の「灘」には、全国1番を誇るものがあるんです!
それが今回取り上げる、通称
です。
この今や世界的にも有名となった日本を代表する祭りは、まさに姫路市立灘中学校の学区を中心とした地域で行われます。
全国的に“けんか祭り”はいくつかあり、他には福島の「飯坂けんか祭り」なども有名なのですが、姫路の灘地区で開催されるものはその激しさ(毎年死傷者が出ている)と規模において、日本一!と評されるほど壮大な祭りです。
観客数も15万人を超えるんだとか。
単純にこの観客数の多さだけを見ても、その注目度の大きさが想像できます。
毎年、秋ごろになると必ずニュースなどで祭りの模様が伝えられるのが恒例となっていて、今や秋祭りという大きいくくりにおいても代表的なお祭りであると言っても過言ではありません。
そして今年も、もうすぐその季節がやってきます。
ということで、この記事では灘のけんか祭り2019の日程やアクセス方法をお届けしようと思います。
祭の背景や見所にも触れていきますので、お祭りに行く前の予習にお役立てください。
灘のけんか祭り2019の日程は?
早よ秋祭りシーズン来い!w#けーぶるにっぽん祭JAPANシーズン2#これが、灘の男。灘のけんか祭り#兵庫、姫路#播州秋祭り#日本ケーブルテレビ連盟 pic.twitter.com/wJemJSjOku
— 壱番 (@ni_ni1033) 2018年3月19日
祭礼日
宵宮:10月14日(月) 11:00~16:30
本宮:10月15日(火) 9:00~17:40
・出立ち
宮入が一番早い東山地区の屋台は9時ころには早々と出発。
各地域の屋台はそれぞれの地区を巡回しながら松原八幡神社を目指す。
・宮入り
昼前から各地域の屋台順次宮入り。
宮入の順番は
東山→木場→松原→八家→妻鹿→宇佐崎→中村
と決まっている。
大体14時頃に全ての地域の屋台が宮入りを完了。
・宮出し~屋台の練り合わせ
各地域の屋台が再び担ぎ出され、神社の境内や楼門の外で屋台同士が激しくぶつかる(練り合わせ)。日が暮れると屋台の電飾に火が灯りより幻想的に!
ちなみに、順番で回ってくる練り番の担当地域にとっては自地域の屋台練りはこの日が最後。(2019年の練り番は東山地区)
その後、本宮に備え、屋台たちは各地域の蔵へと戻る。
・4:30頃~ 露払いの儀
まずは松原八幡宮がある松原地区の獅子壇尻が八幡宮へ向かい清めの儀が行われる。
宮に明かりが付き、ここから本宮スタート。
その後、この獅子壇尻は御旅山に向かい、そのふもとでも清めの儀が行われる。
・6:00~ 潮かきの儀
練り番を務める地域の一行が屋台蔵を出発し、近くの海岸で海水をかけあい身を清める。
・9:00~12:00 宮入
練り番以外の地域の屋台が順次宮入。【順番は宵宮と同じ】
練り番の地域だけは屋台を出さずに最後のトリを務め、3本の神輿幟(のぼり)を掲げ、拝殿前まで一団となって一気に進む。
その後、
「一の丸:応神天皇(おおじんてんのう)」
「二の丸:神功皇后(じんぐうこうごう)」
「三の丸:比咩大神(ひめおおかみ)」
の三基の神輿が拝殿前や楼門前の広場でぶつけ合わされる。
・12:10~ 神宮渡御
松原地区の露払された壇尻、3基の神輿、各地域の屋台が順番に御旅山の山頂を目指す。
山頂への道を登る前に、それぞれふもとの練り場でひとしきりぶつけ合う。
露払い壇尻は単独なので、祭りの無事を祈願し「担ぎ上げ⇔地面への叩き付け」を繰り返す。
各地域の屋台の順番は
木場→松原→中村→妻鹿→宇佐崎→東山→八家
で宮入の時とは異なる。(練り番の地域は欠番)
・12:10~ 神事
各地域の屋台が練りあっている間、御旅山の山頂では、三基の神輿を前に祝詞(のりと)が奉上される。
・~17:40 最後の練りあい:10~ 神事
各地域の屋台が山頂の置き場に到着すると、今度は登ってきた順番で下山。
最後の屋台が降りてくるのは日没後。
ここから屋台の電飾に火が灯され、けんか祭りのクライマックス到来。
最後まで神輿のぶつけ合い、屋台練りが行われる。
それぞれ帰路につき、最後の八家地区の屋台が引き上げて祭りが幕を閉じる。
※時間に関してはおおよその目安です。
以上、灘のけんか祭りの流れをご紹介しましたが、文章では上手く伝わらないと思うので、こちらの動画をご覧ください。
祭礼日は毎年14・15日と固定されていますが、これは「灘のけんか祭り」が例大祭となっているためで、むやみに日にちを変えることができないからです。
ですから、平日であろうが、雨だろうが関係なし。
この姫路・灘地域の地元の方々は
という感じらしいので、この日に掛ける思いが半端なく、ちょっとのことでは中止できないのでしょうね。
聞くところによると、灘周辺の会社や学校も全て休みになるそうです。
そして学校では、お祭りの準備等での公欠も認められているんだとか。
当然学校のカレンダーにも、普通に祭の休日が入っているとのこと。
全国広しと言えども、中々ここまで徹底しているところは他にないのではないでしょうか?
私の親戚に青森ねぶた祭りに参加されている方がいて、
と毎年のように話を聞きますが、ねぶた祭りの方が灘のけんか祭りより規模が大きいハズなのに、ここまでの話は聞いたことがありません。
灘地域の一致団結感に驚かされます。
といっても台風など、よっぽどのことであれば、過去に順延したケースもあるらしいです。
秋は台風がホント多いので、好天の中で思う存分楽しめると良いですね。
灘のけんか祭のアクセス情報
【兵庫・灘のけんか祭り】<10月14日、15日>松原八幡神社で行われる秋季例祭。古めかしい3基の神輿をぶつけ合う神事と旧7ヶ村の豪華絢爛な屋台が激しく練り競う屋台練りが行われる。担ぎ手である練り子は廻し姿で鉢巻を巻く。 pic.twitter.com/GA36qxQ3pQ
— 奇祭ファン倶楽部(KFC) (@clubkisai) 2018年1月20日
続いては、灘のけんか祭りの舞台となる、松原八幡神社や御旅山へのアクセス方法を紹介します。
灘のけんか祭りの見所(魅力)は?
灘のけんか祭りには、実に千年もの歴史があります。
現在の市民主催の祭りに変わったのは明治初期からで、同時にそれまで単なる神宮渡御に随行する役目だった屋台が主役になりました。
表現が間違っているかもしれませんが、地元の人にとっては幾度の困難を乗り越え
と言っても過言ではなく、この祭りに対する並々ならぬ想いは、きっと代々受け継がれた執念のようなものから来ているのだと思います。
そういう背景を考えても、灘のけんか祭りの見所は…やはり主役である屋台の練りあう場面なのは間違いありません。
となると、祭りの最大の見所は必然的に
になるかと思います。
もちろん、本宮の神輿や屋台6台での練りあいの方が、観客も盛り上がるでしょう。
しかし、この祭りが地元民のためのもので、現代の祭りの主役はあくまでも屋台であることを考えると…
のではないでしょうか?
ところで、その競い合う屋台の地域に関してですが、すでに書いたように、ちょうど灘中学の学区とかさなる地域が7つの地域に別れて競い合います。
灘のけんか祭りに参加する7つの地域
- 妻鹿地区 → 妻鹿
- 白浜地区 → 宇佐崎、中村、松原
- 八木地区 → 八家、木場
- 糸引地区 → 東山
そして各地域にはシンボルカラーがあり、
- 廻し
- 鉢巻
- シデと呼ばれる棒の先端のボンボン
の色がそれぞれ違うんです。
各地域のカラーを宮入順に並べると…
東山地区 | ピンク |
---|---|
木場地区 | 若緑 |
松原地区 | 赤 |
八家地区 | 黄赤 |
妻鹿地区 | 朱赤 |
宇佐崎地区 | 黄 |
中村地区 | 青 |
となります。
松原地区と、妻鹿地区の区別が若干付き難いですが、自分の好きな色の地域を応援する!というのも楽しみ方の1つかもしれませんね。
ただ…
ということなので、頑丈な方が有利というわけではなく…
応援の仕方には工夫が必要ですwww
「灘のけんか祭り」まとめ
今回は秋の例祭の代表格である、灘のけんか祭りについて、祭りの背景にも少し触れながら日程やアクセス情報、見所をまとめてみました。
15万人もの人が殺到することになるので、ポイントを絞って効率的に見たいですね。
激しい祭りなので、見物客と言えども安全には十分に注意を払ってください。
その上で、地元の人たちの
に掛ける想いの重さを噛み締めながら盛大な祭りを堪能しましょう!
以上、長々と最後までお読み頂き、ありがとうございました。
祭りの激しさが有名な「灘のけんか祭り」。 姫路市の灘地区が7つの地域に分かれて、神輿や各地域で作った屋台をぶつけ合い競います。 いかにも重そうな神輿や屋台が練り合う様は迫力があってほんと圧巻ですよね。[…]